07.02.17
今まで僕は、とても幸せな時と、その幸せが怖い時がありました。
始まれば、どんな形であれ、終わりが来ることを僕は知っていました。
未来永劫不変なものが何一つないことを、僕は知っていました。
だから、いつ終わりが来るのかに怯えました。
頭では、きちんと理解していました。
いや、理解していたはずです。
それでも僕は、怖かったのです。
僕は弱い。
人が思っている以上に、弱くて仕方のない人間なのです。
だから何回も泣きました。
人前で泣けなくなっていた僕は、ひとり膝を抱えて泣いていました。
終わりが来るのが怖かったのです。
何がきっかけになるのか、分からないから怖かったのです。
人は分からないものを恐れます。
僕もそのひとりでした。
それを君に伝えました。
何かきっかけがあったわけではありません。
あったのかもしれませんが、僕は分かりません。
まるで終わりが来るかのような、些細なきっかけだったのかも知れません。
僕は、僕の怖さを伝えました。
拙い言葉で。
必死に、僕のセカイを伝えました。
僕の怖さの原因は、紛れもなく君です。
僕の怖さを壊したのもまた、紛れもなく君なのです。
どうして君の言葉は、こんなに僕を動かすのでしょうか。
他の人が気にしないようなことでさえ、僕は一喜一憂してしまう。
君が僕に伝えた言葉は、まっすぐ僕のところに届きました。
僕の不安を、春風のように巻き上げて、僕の心に、桜の花びらを残していきました。
僕の好きな桜をひとひら。
そうしてきっと、笑顔でいるのでしょう。
僕を見下ろす君も。君を見上げる僕も。
どうして僕は、こんなに幸せなのでしょう。
なんだか泣けてきてしまいます。
その涙は、僕の怖さからくるものでは、もちろんないのです。
安堵感と、君の言葉が僕に涙を流させたのです。
もう僕は、分からない終わりに怯えることはないのでしょう。
君は僕に約束しました。
本当のことを言うこと。僕を不安にさせないこと。
そして僕は君に約束しました。
本当のことを言うこと。君を信じること。
まだ僕には、「信じる」というのが何なのか、よく分かっていません。
ずっと変わらないものなんてありません。
だから、「今」君が、僕を大切に想ってくれている、ということを、僕は信じようと思います。
終わりが来る時は、互いに言葉にして伝えます。
でも、そうならないことを願っています。
僕も、そして君も。
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